お母さんになることをあきらめない
お母さんになることをあきらめない。
赤ちゃんが欲しいと思っているのに、なかなか授からない現実。
インターネットで妊娠に関する情報をいろいろと検索してみるけど、なんだかいまいちピンとこない。
夫婦二人で頑張っているのに、周りからは「赤ちゃんはまだなの?」って言われ、正直つらい。
「もう赤ちゃん、あきらめようかな・・・」
気持ちばかりが焦って、どうしたらいいかわからない。
意を決して病院に通い始めても、何が何だかわからないうちに色々な検査をして、薬を飲んで、精神的にも肉体的にも辛くて、「妊娠なんて、すぐにできる!」と軽く考えていたことを後悔する毎日。
病院での治療でも一向に成果が出ないことに、ますます不安が強くなって、「このままじゃ、いけない」って思って意を決して相談に来られるお客様。
僕の店には、こんな経験をされた女性がたくさん相談に来られます。
中には、「病院の先生が言うとおりに、体外受精を何度も繰り返しました、でも妊娠できなかったんです。」と泣きながらお話される方もいらっしゃいます。
これまで何人もの女性が、「お母さんになること、あきらめようかな・・・」と目の前で涙を流す姿を見てきました。
先の見えない治療に、自信を失って、正直、どうすればいいのかが分からなくなっている彼女たち。
僕は、そんなときにいつもいう言葉があります。
「ゴールって、いきなり来るんだよね」
「それが、明日なのか1年後なのかわからないけれど、でも絶対に来る。」
これまで不妊症専門クリニックでタイミング療法・人工授精・体外受精をされている方の相談にのり、それでも結果が出ないご夫婦のサポートをしてきました。クリニックで治療すれば、妊娠できると思っていたのに、できない現実に、皆さん、同じようなとてつもない不安を抱いていました。
でも、その中から、ポツリポツリと妊娠して、「不妊症の不安」から卒業される方が出るのです。
妊娠された方々は、「あの不安は一体、何だったんでしょうか?」と仰るのです。
そう、頑張っているのに、結果が出ないこと。
1か月に1回しかチャンスがないこと。
年齢的な焦り、周囲からのプレッシャー、薬に対する副作用、検査や処置による身体への負担、金銭的な負担、頭から「妊娠」という文字が消えない現実
こういう複雑な要因が、さらに妊娠することを難しくし、そしてこの苦痛から解放されたいために「早く妊娠したい」と思うのです。
そしてそこから卒業すると次は「私に無事に産むことができるかな?」と、赤ちゃんが無事に生まれてくれるかという不安が出てきます。
ひどいつわりに悩まされ、食べたいものも食べられない。
お腹の中の赤ちゃんがいつも気になって、少し出血しただけで、少しお腹が張るだけでも、「大丈夫なの?」と不安な気持ちがなくなりません。
そういう時期を10カ月余り過ごし、無事に出産された後には、「ちゃんと育ってくれるのかな?」という新たな不安が生まれてきます。
「妊娠を希望する」ということは、人として、一人の親として、一生付き合っていかなければならない「子供に対する不安」をしょい込むことなのです。
妊娠することがゴールなのではなく、妊娠することがすべてのスタートなのです。
妊娠するまで、とても大きな苦労が待っているかもしれませんが、それは実はとても小さな始まりにしかすぎません。
あきらめてしまったら、そこですべてが終わってしまう。
でもどれだけ失敗を重ねても、あきらめなければ、ほとんどの方に「赤ちゃん」はやってくるのです。
病院の治療がすべてではありません。
インターネットの情報がすべてではありません。
あなたにとってベストな選択になるように。
そして何物にもかえがたい、宝物である赤ちゃんを抱けるように、今できることを精一杯してください。